「共感」だけを求める都知事と僕

こんばんは。大宮です。
昼時のワイドショーで、テリー伊藤が石原都知事にインタビューをしていました。
中川前財務大臣、オバマ大統領、朝青龍、次期オリンピック、といった旬のテーマに対して、「あいつは嫌いだね」「みんなでお祭りをやろうよ」など、小気味良いコメントをしつつ、ときどき可愛らしい笑顔を見せる都知事。
よくぞ断言してくれた!と気持ちよくなる発言も多く、「こんなおじさんと呑んだら楽しいかもな」と感じました。

しかし、相変わらず論理や説得力はまったく感じません。
例えば、なぜ東京で二度目のオリンピックを開催する必要があるのでしょうか。
都税を納めている身としては、わかりやすく論理的に説明してほしいのです。
都知事という巨大な権力を持つ立場で、「愛国心が盛り上がるからオリンピックはいいよね」とか「朝青龍はなんとなく好きになれない。相撲が変わってしまう気がする」などと感情先行で発言しているのでびっくりします。

政治家は、心の深いところでは感情に根ざした人間性が必要だとしても、発言や行動をする際は論理と説得が不可欠でしょう。
それを怠り、優れた共感力だけを武器に他人に強制力を行使しようとするのは、民主主義社会では許されません。
政治家としての石原氏は、生まれる時代か国を間違えたのかもしれませんね。

逆に、作家としての石原氏にはとても興味があります。
著作を読んだことがないのですが、あれだけの共感力の持ち主の作品なので、文章を書く際に大いに参考になるはずです。いや、仕事抜きにしても純粋に楽しめる気がします。

では僕は論理的で説得力があるのかというと、まったくそんなことはありません。
正直、石原都知事レベルだと自覚しています。
自覚しているからこそ、政治家や法律家や医者といった、他人の心身に強制的な力を使うような職業に就くつもりはありません。
もしも裁判官とかに就任したら、「証拠はないけど顔が気に入らないから無期懲役」などと言いかねませんよ。どうか僕を裁判員に選ばないでほしいです。

細かく言えば、商業記事にも論理重視と共感重視の差があります。
事件記事や社会・経済評論といった分野は、正確な情報収集と論理的な分析が求められますよね。
僕はライターになってしばらくはこの分野でがんばろうとしていたのですが、情熱を持てないし能力的にも限界があることに2年前に気づきました。

で、最近は、できるだけエンターテイメント文章だけを書くようにしています。
珍奇な食べ物を口にして悲鳴を上げたり、未婚男同士で愚痴をこぼし合ったり、大好きな本や映画を紹介したり……。
論理性のかけらもないけれどいいんです。
僕は「説得」したいのではなく「共感」してほしいのですから。
「どうしようもないねぇ」と落語感覚で笑ってくれれば本望です。

石原さん、東京オリンピックはどう考えても無理ですよ。
東京都民もオリンピック委員会も、明快な論理抜きで押し切られるほど馬鹿ではないでしょう。
不似合いな政治家業はそろそろあきらめて、共感だけでいい世界に戻って来ませんか。
by jikkenkun2006 | 2009-02-22 23:58 | 週末コラム | Trackback | Comments(2)
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Commented by ひろくま at 2009-02-23 11:44 x
うん、共感(笑)。そうですよね〜、石原さん、私は人間的には、すごく好きなんです。でも、友人で高尾に住んでる作家で、圏央道建設に反対している人たちの話を聞いていると、なかなか、マスコミも取り上げない、いろいろな面がわかって、恐かったです。作家としての部分と政治家の部分を上手に分けれればいいんですが、石原さんの我の強さは並ではないので、公私混同、自覚ないまましそうですね。彼の願望や妄想を実現するために、権力を使って欲しくないな〜。。
大宮さんの記事は、基本的に品がいい笑いを提供してくれるので、お笑いブームにぜんぜん共感できない私には、ちょうどいい刺激になってます☆インパクトを求め、あまり過激路線に行かないで下さいね、ついて行けなくなるので。。(笑)
Commented by jikkenkun2006 at 2009-02-24 01:44
>ひろくまさん
共感していただき光栄です。僕の「笑い」に対する鋭いアドバイスも参考にさせていただきますね。


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