粋な映画、粋な人

こんばんは。大宮です。
ほとんど唯一の趣味が映画鑑賞な僕。
毎週映画館に行くほどではありませんが、DVDは週に2、3本は観ています。
制作国や年代やジャンルは問わずに「面白そうだな」と感じたら借りてきます。
当然ながら、借りてよかったと思う作品と損したと思う作品があります。
その違いをすべて言語化できているわけではありませんが、最近自己発見したのは
「粋な映画が好きなんだ」という点です。

粋といっても、衣装がオシャレなフランス映画という意味ではありません。
映像がやたらにスタイリッシュなアメリカ映画でもありません。
なんというのか、「自分のことがよくわかっているけれど傲慢にも卑屈にもならずに
全力を出し切った」感のある作品を粋だなあと感じるのです。

最近観た映画では、ダニエル・クレイグ制作・主演の『フラッシュバック』ですね。
007のジェームズ・ボンド役で知られる金髪肉体美の俳優ですが、「俺はそんなんじゃ
ないんだよ」と技巧派ぶるわけでもなく、むしろ自分の軽薄イメージを生かした主人公を
設定し、なおかつ感傷的で美しい作品に仕上げていました。大作感はゼロだし、
無駄なアクションはないし、必要なエロはちゃんとあるのも素晴らしい。
この人は映画(と音楽)が本当に好きなんだな、と素直に感じられる佳作でした。
ちなみに、この人が出ている『ディファイアンス』というホロコースト映画はアクションも
ある傑作です。

逆に、オープニング5分ぐらいで野暮だなと思う作品もありますよね。大作感を出そうと
無理をしていたり、不自然なギャグを入れていたり、明らかにミスキャスティングな
俳優が出ていたり…。
興行収入を確保するためにいろんな大人の事情が絡むのだとは思いますが、
一言でいうと「嘘」が目立つのです。
一生懸命にステキな嘘をつくべき映画の中に無駄な嘘を入れてどうするんだよ、と
小さく抗議したくなります。誰よりも純粋な姿勢で真っ直ぐに嘘の世界を描かなければ、
現実の世界に生きる僕たち観客の心を捉えることはできないと思うのです。
ファンの方がいたら申し訳ないけれど、三谷幸喜の『THE有頂天ホテル』には
嘘ばかりを感じました。『ラヂオの時間』は良かった記憶があるのですが…。
売れっ子の三谷氏が傲慢になっているとは言いませんが、自分を見失っているような
気がしてなりません。

友人との会話も、映画鑑賞に通じるものがあると思います。
いろんな経験をして自分の強みも弱みもわきまえた上で、なおかつ前向きに機嫌よく
率直に生きている人には「粋」を勝手に感じて、感激して興奮して長話になります。

一方で、同じぐらいの経験をしているはずなのに全く内省が進まない人もいますよね。
謙虚なポーズで実は自慢話ばかりをしたり、似合いもしないブランド品を身につけたがったり、
好きでもない人と一緒にいて好きでもない仕事を続けていることを認めなかったり。
「嘘つき」とまでは言いませんが、少なくとも素直な印象は受けません。
見栄っ張りというか虚飾が身についてしまっている人を前にすると、「野暮だな」と気持ちが
冷めて早々に帰りたくなります。

ただし、粋な人も環境次第では野暮になってしまうと思うし、その逆もあると信じています。
例えば、腹の内は明かさないくせに卑小な自信を隠し持ち続けているような利口者が多い環境に
長くいると自分を見失って野暮に堕ちてしまうし、自分の欠点は十分にわかっていて認めている
けれど懲りずに新たな挑戦をし続けるような馬鹿者たちがいる環境にあえて身を置くと、自分も
少しずつ爽やかな人間になっていくと思うのです。

粋な作品を観賞して、粋な人と一緒にいる時間を増やすことで、自分も変わっていけると信じたい。
というわけで、今からキャベツで晩酌しながら『うぬぼれ刑事』(TBSドラマ)のDVDを観ようと思います。
by jikkenkun2006 | 2011-07-03 20:36 | 週末コラム | Trackback | Comments(2)
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Commented by AK at 2011-07-04 20:22 x
映画でも人との付き合いでも、共感できる映画・人かそうでないかを見極められることは大事なことだと思います。つまり自分の中にしっかりしたベースというかコア、大事にしたい価値基準みたいなものを持つこと。それをあからさまに相手に示す必要はないですが、共感できないもの・人との付き合いからはそれなりにフェードアウトしていく勇気って、自分自身が気持よく生きて行くためにも必要だと思っています。
Commented by jikkenkun2006 at 2011-07-04 20:51
>AKさん
そうですよね。ケンカする必要はないけれど、「フェードアウト」することは大事ですよね。嫌な人と無理して一緒にいるほど人生は長くない、と僕も思います。


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