食事中に言ってみたい映画セリフ

こんにちは。大宮です。
食生活公開と日課としている当ブログですが、「週末コラム」と称してときどきコラムを書いています。今日のテーマは食事中の会話についてです。

僕は嫌いな人と食事をすることができません。当たり前だと突っ込まれそうですが、社会人には「仕事上の付き合い」という掟がありますよね。僕のようなフリーランサーも例外ではありません。以前に一緒に仕事をしていた先輩ライターから「大宮君、仕事は飲んで取ってくるものだよ。嫌な奴との飲み会でも我慢しなきゃ」と諭されたことがあります。理屈はわかるし、できれば実行したいのですが、僕には無理です。

理由は2つあります。「食べること」は僕の数少ない楽しみの一つだからです。特においしいものを食べているときは危険です。苦手な種類の人が近くにいると、相手への嫌悪感が際立ってしまいます。「この豚肉、最高にうまいなあ。それに比べて、俺の前にいるコンサバティブ野郎は何なんだよ。お前の話なんてちっともおいしくないよ」といった感情が高まりがちです。もう一つは酒に弱いことです。嫌いではないのでお付き合い程度に飲むのですが、次第に自制心が働かなくなり、「あなたとは二度と仕事したくない」的な身もふたもない言葉をぶつけてしまいかねません。

逆に、気の許せる友人や仕事仲間とは毎月のように食事に行って仕事や恋愛の本音トークを楽しんでいます。しかし、問題があります。気になる女性と二人きりで食事をすると、「キレイなったね」「好きかも」「これからウチに来ない?」的な本音をいきなり出してしまうのです。「料理もうまい。接客も最高。そして、俺の横にいる美女からはいい匂い。触りたい!」という自分勝手な盛り上がり。失敗の連続ですよ。

こんなときにお手本にしたいのが、素敵な大人を描いた映画のセリフですよね。孤高の飛行士ポルコ・ロッソを描いた宮崎駿のアニメ映画『紅の豚』にはこんなシーンがあります(注:あまり正確ではありません)。

ダイニングバーのオーナー兼歌手のジーナは、「アドリア海の宝石」とも呼ばれる美女。荒くれ男たちのあこがれの的だ。幼馴染のポルコは店では遠慮がちに飲んでいるだけだが、閉店後、ジーナと二人きりで食事する。(うらやましい!)
ジーナ「今日、主人の飛行機の残骸が見つかったという報告があったの」
ポルコ「そうか……」
ジーナ「これで古いなじみで残ったのはあなただけね。ポルコ、いつもそばにいてくれてありがとう」
ポルコ「(ジーナの気持ちは無視するように)いい奴はみんな死ぬ」

ギャワワ! 超カッコいいセリフだ! オレはあいつらみたいないい人間じゃない。俺に惚れたらいかんぜよ。みたいな奥ゆかしい発言ですね。この映画を初めて観たとき、興奮のあまり親友に電話して、「お前、早めに死んでくれない? いい奴だからさ」と頼んだ記憶があります。親友は訳がわからず絶句していました。
 
実はポルコもジーナを愛しているのです。でも、それをストレートに表現することはしない。ポルコはジーナと自分のグラスに水を注ぎ、こう言って乾杯しました。

「友へ」

渋い! これが大人だ。僕は学生のとき「『杯を乾かす』と書いて乾杯と言います。では、一気に乾杯しましょう。カンパーイ!」みたいなアホ乾杯をしていましたが、誰のためにも祈らない乾杯なんて意味がないことをこの映画に教えられました。

本音で話せる食事の場だからこそ、思いやりや慎みから生まれた言葉が心にしみるのかもしれませんね。
by jikkenkun2006 | 2006-05-07 16:44 | 週末コラム | Trackback | Comments(7)
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Commented by kyouko at 2006-05-08 10:24 x
わたしは好き!と感情が盛り上がっているとき、そのヒトと、おいしいもの
を食べに行っても損だ、と思っています。
だって、味がよくわかんないんだもん。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-05-09 01:46
>kyuokoさん
なるほど…。でも、いいっすね! 損してもいいから盛り上がりたいです。
Commented by eririn at 2006-05-09 08:44 x
はじめまして♪
ちょっと。熱い感じのストーリー。映画を見た事がないのですが、紅の豚、さっそく見なくてはいけませんねー。
しかし、こんなに渋い台詞は、台本ナシでどのくらいの男性が言えるのでしょうか??興味津々。

あ、お料理ももちろん参考にさせて頂きます。笑
Commented by けくこ at 2006-05-10 00:47 x
「幸せ×幸せ=すんごく幸せ」ですよね。
「すんごく幸せ」はめったになさそうだし、落差も恐い。「幸せ÷不幸せ=ちょっと幸せ」ぐらいでちょうどよさそうだし、まぁ、無いよりマシよね。
とか思って、嫌いな人がいる飲み会にも行ってしまうやられ気味のこのごろです。
紅の豚。いいですよね。あの二人のやりとりもさることながら、工場の女の子のまっすぐさも私は好きです。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-05-10 00:59
>eririnさん
コメントありがとうございます。台本ナシ、確かに厳しいですね。僕は昔「アドリブがきかない男」と呼ばれたことがあります。

>けくこさん
「ちょっと幸せ」で満足すべきなのかもしれませんね。でも、今はまだ落差の大きな生活にあこがれてしまいます。
Commented by にゃん太 at 2006-05-10 02:10 x
「あなたとご飯を食べると美味しい」 と言って戴けたら幸せです。相手が誰でも楽しさを見出だせたら、その一時が幸せですよね。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-05-11 02:07
>にゃん太さん
確かに、好きな相手と食べると料理の味も2割増しになりますよね。


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