白いご飯が好きだから

質問です。この世で一番長い40分間は何でしょうか。
「好きなあの人にメールを送って、返信を待つ時間かな。ウフフ」とか言うラブラブ男女は、今日から土の中で生きてください。
炊飯器をセットして、ご飯が炊けるまでの時間に決まってるじゃないですか!

ご飯が食べたい。でも、外食ではなく自炊したい。
台所にある無洗米の袋に飛びかかり、計量カップで米をすばやく炊飯器に移し、水道の蛇口を激しくひねれば準備完了です。1分弱の作業なので、我慢できます。
しかし、それから約40分間の暗黒時代が訪れます。

僕は外食で注文する際、料理が出てくるまで30分程度なら待てます。でも、「ライスのおかわり」は5分も待てません。一刻も早く、白い天使たちを口の中に放り込みたいからです。彼らをモグモグしてから飲み下すときの幸福感は例えようもありません。本気で「生まれて良かった!」と思います。

だからこそ、ご飯が炊き上がるまでの40分間は永遠にも感じてしまうのです。でも、どんなに長く辛い冬にも、いつか春が訪れます。「ピピピピピッ」という電子音とともに。
受験の合格発表を見るような気持ちで炊飯器のフタを開けると、ご飯臭たっぷりの水蒸気ベールに包まれて、炊き立ての白米が姿を現します。しゃもじで混ぜてみましょう。ホクホクの仕上がり。しゃもじで食べてみましょう。ウマウマの仕上がりだ! 

ご飯が炊き上がるまでに作っておいた料理はあくまでも脇役。主演兼監督である「ご飯」の引き立て役に過ぎません。
まずはフェイントでおかずを食べる。おいしいけれど、寂しいなあ。あれ? こんなところにピカピカのご飯があるじゃないか! ご飯の存在をわざと忘れておき、発見した喜びに打ち震えながら、すかさず大量にかき込むのです。熱々の白米パワーにしばし圧倒されてM的な快楽を感じます。昇天しそうになるのをこらえて、口をモグモグ。おかずとご飯の味が口の中で混じり合い、今度は家庭的な愛情のようなものが全身を包みます。大安心だ。そして、飲み込む。ご飯が胃袋に達する頃には前向きなエネルギーに転換するのを直感します。

M的な快楽→家庭的な愛情→前向きなエネルギー。この究極の喜び連続攻撃を7回ぐらい繰り返すと、茶碗が空になっています。まだまだ足りんぞ。ご飯、おかわり!
by jikkenkun2006 | 2006-05-21 23:57 | 週末コラム


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