未婚男からの手紙

おはようございます。大宮です。
昨夜、友人の結婚式2次会に出席してきました。その友人から「俺たちの2次会に捧げる文章を書いてほしい」と頼まれていたので、ひがみ涙を流しながら以下の文章を書き、当日の出席者に配布してきました。「食」とは全く関係ない内容ですが、今週のコラムとさせていただきます。

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未婚男からの手紙


 僕たち未婚男女にとって、友人の結婚式2次会には2つの目的があります。まずは、友情を確かめることです。2次会の招待メールが届くと、「あいつは俺のことを親しい友だちだと思ってくれていたんだな」と嬉しくなります。そして、仕事や遊びの予定を入れないように注意して当日に臨み、大きな声で祝いの言葉を伝えるのです。「おめでとう」とか「キレイだよ」とか。
 実に美しい光景ですね。『ゼクシィ』のCMを見ているようです。しかし、現実はそれほど甘くありません。考えてもみてください。僕たちは未婚なんです。未完なんです。必ずしも今すぐ結婚したいとは思っていなくても、「なんで大明があんな美人と……」「香折、俺じゃダメだったのかよ」ぐらいの気持ちは起こるのが自然でしょう。たとえ起こらなかったとしても、未婚の友人が一人減ってしまう寂しさは募ります。もう合コンには誘えないし、オールナイトで遊ぶのも難しい。チクショウめ!
 失礼しました。ええっと、そこで第2の目的が浮上します。羨みや寂しさを忘れさせてくれるほど、魅力的な他人(特に未婚の異性)に出会うことです。新郎新婦が所属するさまざまなグループの人が集まる結婚式2次会で、知人とばかりツルんでいるのはもったいない。同窓会じゃないんだから、積極的に知らない人(特に未婚の異性)に話しかけるべきだと思います。つまり、2次会は異業種交流会であり、大規模合コンでもあるのです。
 世の中には、この2番目の目的を忘れている新郎新婦や幹事が多すぎます。「二人の思い出スライド」を流すのはいいけれど、2回も流さなくてけっこうです。多少の余興はあってもいいけれど、体育会系マッチョどもの裸踊りなんか見たくありません。そんな時間があるなら、歓談の時間を増やし、新郎新婦は積極的にいろんな人を紹介してほしい。結婚式の2次会で一組でも新たなカップルが生まれるならば、素晴らしい再生産活動ではありませんか!

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 つい熱くなってしまいましたが、話を戻します。結婚式2次会の第1目的である、友情についてです。僕は大明くんとの友情がなかったら、わざわざ六本木・西麻布(東京で3番目に嫌いな地域です)まで来て8千円も出しませんからね。中央線沿線で会費4千円の合コンをやるなら、嫌な奴が主催でも行きますが。
 大明くんとの出会いは大学のサークルでした。「俺様は5年後のグローバルビジネスリーダー候補だぜ」と信じてやまない連中が集まる、鼻持ちならないサークルです。同期の大明くんは、見ての通りスマートかつハンサムで、声までセクシー。3人の女性メンバーと同時に付き合っているという噂(僕が流しました)もありました。しかも、頭が抜群に切れる自信家だ。顔を見るだけで敗北感を味わいます。僕は初対面3秒で大明くんを嫌いになりました。彼が当然のようにサークルのトップになってからは、さらに敵意を燃やし続けてきました。
 あのままの大明イメージだったら、僕は決してこの場にいなかったと思うし、ノーギャラでこんな原稿を書いてません。しかし、転機は1年ほど前に訪れました。久しぶりに大明くんと会ったのです。なつかしげに言葉を交わし「同期会をやろうぜー」とか言いながらも、心の中では毒づいていました。
「リーマンだかゴールドマンだかキン肉マンだか知らないけど、自信満々の負けなし外資系金融マンなんだろ。俺なんかと話さずに、シガーバーで葉巻でも吸ってろよ」
 会社員生活に2回も挫折した僕は、自他共に認める成功した会社員には卑屈な感情を持ってしまうのです。まして、学生時代から負け続けていた大明くんには素直になれません。
 ところが彼は意外なことを言い出しました。
「同期会、いいね……。面倒くさい作業はオレがやるから、みんなへの声かけはトウヨウ(←僕の名前です)がやってくれよ。トウヨウが言ったほうがたくさん集まるからさ」
 びっくりしました。大明くんが目の前で自信なさそうな発言をしたのは初めてだったからです。しかも、僕に頼ろうとしている。絶対おかしい。上司のアメリカ人に変な薬を打たれたんじゃないのか?
 会話を続けるにつれて、大明くんが本当に変わったことを悟りました。変わったというより、柔らかくなったというほうが正確でしょうか。相変わらずハンサムで優秀なのですが、他者を切って捨てるような態度は影を潜め、「オレにも足りないところはある。助けてくれよ」という愛嬌のようなものが表面に出るようになりました。かわいい、という印象すら受けます。
 僕は大明くんへの友情というか好意をはっきりと感じました。実は、ずっと彼の素晴らしさに「あこがれ」を抱いていたのです。でも、見下されるのが怖くて、反発していたのだと素直に認めることができました。いま、この場に大明くんの親しい友人として出席できることを誇りに思います。
 しかし、さきほど疑問を持ち始めました。もしかすると、大明が変わったのは香折さんと付き合い始めたからではないかと。男は、本気で惚れた女性と溶け合うと、「幸せパワー」で根本から変わることがあるのです。二人の出会いタイミングが最近だったら申し訳ないのですが、もしかすると1年以上前から付き合っているんじゃないですか。え、その通り? なんだよ、幸せパワーのおかげかよ!
by jikkenkun2006 | 2006-06-04 06:27 | 週末コラム | Trackback | Comments(8)
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Commented by eririn at 2006-06-04 11:27 x
いいですね、親しいからいえることばかり盛りだくさん。

素敵ですね。いいですねー。
Commented by あんどう at 2006-06-04 16:19 x
おはつです。
いい文章なので思わずコメント。

トーヨーさんはプロなので文章どうこう言うのは失礼なのですが、
すごく自分の気持ちを素直に書けていて、読んでいて爽快です。
この手紙は相手のことを分析しているようで、トーヨーさん自身の
気持ちがすごくよく表れてますよね。

友達からこんな丁寧な手紙もらったらうれしいだろうなぁ。
Commented by buchi-tk at 2006-06-05 01:31 x
お疲れ様でした。。某団体関係者です。。今日のビジュアルの仕込をしていた方は僕と結構仲良しの先輩です。彼の作りこむものはクオリティ最強です・・・。また別の機会にばったりお会いできそうですねぇ(笑)。
Commented by 実験くん2号 at 2006-06-05 10:29 x
おーっ。なかなかいい文章ですね。ところで2次会で新しい出会いはありましたか?そちらが心配で仕事が手につきません。実験くんに幸あれ!
Commented by カズノリ at 2006-06-05 13:50 x
実験くん、これやってみなよ。
http://uranai.artisthouse.co.jp/
Commented by jikkenkun2006 at 2006-06-06 00:20
>eririnさん
「親しいから言えること」、そうかもしれませんね。気づきませんでした。ありがとうございます。

>あんどうさん
誉めていただいて嬉しいです。強い人や幸せな人の前で、ときどき素直になれない自分がいるのです。アサーティブを目指します!

>buchi-tkさん
某団体……アイセックですね。あのサークルは良くも悪くも自意識過剰な人々が多いですよね。もちろん僕もその一人です。

>2号さん
ありがとうございます。2次会の成果ですが、「トライアル&エラー」という感じです。3次会で友人たちにいじられました。幸よ、来い!

>カズナリさん
あれ? 昨日分のコメントでも同じ占いを薦められましたよ。流行っているのかな?



Commented by マッキー at 2006-07-10 14:00 x
こんにちは。初めてコメントします。
すごく面白くて笑ってしまいました。わざとらしい誉め言葉なんかに比べると、こういうのすごくいいですよね。
でも、新婦の立場からすると微妙かも~(笑)。やはり結婚式って主役は新婦だと思うので。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-07-11 01:40
>マッキーさん
コメントありがとうございます。新婦が主役、そうですよね! 僕の文章を読み返すと、「男同士のいじり合い愛情表現」という感じですね……。


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