変わらない両親

 こんばんは。大宮です。
 先日、母が64歳の誕生日を迎えました。先月は父が68歳になったので、今年30歳の僕は彼らが30代半ばで作った子どもということになります。2歳上の兄が長男とはいえ、70年代当時としてはかなりの晩婚ですよね。よし、俺も気兼ねなく30代未婚ライフを謳歌できるぞ!

 と、こんなことが言いたいのではありません。この機会に両親について書いてみたいと思います。
 僕は中学生ぐらいまで、両親を恥ずかしく思うことがありました。彼らの愛情は感じていたし家族仲も良いほうだったと思いますが、同級生の両親は若くて格好良いのに、僕の親は年をとっているし会社員でもないしお洒落でもないし貧乏だし夫婦揃って天然パーマだし……。同級生に両親をけなされるのが怖くて、学校行事などに「来ないでいいよ」と言ったこともありました。

 友達を平気で家に招くようになったのは、大学生になってからだったと思います。最近では、遊びに行くときに、親兄弟や兄嫁の親を誘うことまであります。義務感からではなく、友人や仕事仲間に家族を混ぜると意外に面白くなることが多いからです。さすがに合コンには呼びませんけどね。

 何が変わったのでしょうか。両親は20年前から性格も外見もほとんど変化がありません。ちょっと白髪が増えたけれど相変わらずの天然パーマで、下手をすれば20年前と同じ服を着ていたりします。変わったのは、僕の価値観なのでしょう。
 人間は実年齢よりも精神年齢のほうが大事だし、会社員ではなくても自分に合った働き方をすればいいし、お洒落はしたほうがいいけど無理しなくてもいいし、年収は低くても豊かな過ごし方はできるんだと、いろんな経験を通じて少しずつわかってきました。

 今、両親を「他人」として見返すと、尊敬できるところがたくさんあります。人を侮ったり貶めたりする言動は少なく、それぞれの仕事に真面目すぎるほど真面目に取り組んでいます。会う約束をすると、5分前には必ず待ち合わせ場所にいて、銀河系の大きさだとかパンジーの育て方だとか経済的には無価値なことを目を輝かせながら話し、とっくに成人した僕たち兄弟のことをいつでも気にかけて誉めてくれます。

 以前は自分が嫌いだった僕ですが、いつだったか「俺にもいいところはあるよ。ていうか、この自分でやっていくしか道はない」と開き直るようになりました。そのとき、自分の中にあるかもしれない美点のほとんどは、両親のどちらかにあるものだと気づいて愕然としました。欠点も、ですが。親の影響がこれほど大きいものだとは……。

 若くもないし裕福でもないけれど、純真で優しい夫婦に育てられたことを今では誇りに思います。
by jikkenkun2006 | 2006-09-16 01:20 | 週末コラム | Trackback | Comments(6)
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Commented by justice_man at 2006-09-16 03:38
超人気ブログに登場することには抵抗があったのだけど、あまりに素敵な文章に感動を抑えきれず、今更ながら初コメントさせていただきます。
ものすごく共感できるエントリーでした。「両親への想い」が歳を重ねるにつけ徐々に変化していくことは、僕も全く同じだったし、その変化を子供の頃の自分が知ったら、きっと驚くだろうなあとも思います。
僕にとっては、親元を離れた「大学入学の為の上京」が、大きなきっかけでした。ただ、それと同じくらいに、「結婚」というのも、大きな機会となりました。自身の半生を改めて振り返った時、如何に自分が両親に愛され、大切に育てられてきたか・・・。今まで当たり前に想っていたひとつひとつのささやかな思い出が、一気に「感謝」という気持ちに転化していくような、そんな感情を抱いた事を、今なお強烈に覚えています。
というわけで、jikkenkun2006も、早く結婚して、ますます両親への感謝の念を強めた方が宜しいかと思います。
Commented by mizu at 2006-09-16 11:23 x
大宮さんのご両親はほんと素敵だなあ。大宮さんの、のびのびしたところはまさにそういう家庭で育ったからだとつくづく思います。
Commented by baobab at 2006-09-16 21:34 x
大宮さんのご両親はお幸せですね(^^)愛情を注いで育てた息子にこんなふうに想ってもらえるなんて、親にとったら最大の喜びだと思います。私も実家を出てから両親のありがたみを感じるようになりました。でも年を取って私の両親(特に母)は、わがままになってきて。思ってもないことをポンポン言うものだから、時に喧嘩になったりもします。でもやっぱり受け入れなければ、と思います。ここまで育ててくれた親だもの。今自分が二人の子を持って、子どもを心身共に丈夫に育てることがどんなに大変なことかがわかります。それはまさに日々の努力。何をすれば子どもがどうなるという答えはなく、ただ自分が信じる方法で育ててあとは願うしかないように思います。でもその自分が信じる方法を導きだすこと自体が試行錯誤の繰り返しで、それで良かったかどうかは子どもが大きくなってからでないと確信できないのだと思います。今大宮さんのご両親は、大宮さんがすてきな大人になってくれたことに感激し安堵なさっていることと思います。すてきなご家族ですね。私も見習いたいです。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-09-16 23:09
> justice_manさん
共感してもらえて嬉しいです! 結婚かあ。いつになるんだろう…。

>mizuさん
ありがとうございます。これからも伸び伸びと生きていきます。

>baobabさん
嬉しいコメントをありがとうございます。離れてみて初めて家族の有難みがわかるというのは、人間の業なのでしょうか。
Commented by sawako at 2006-09-18 22:25 x
冬洋さん こんにちは。あまりに素敵な文章だったので思わずコメントさせていただきます。冬洋さんの文章はまっすぐで、きっと人や物事に対していつもまっすぐに視線を向けている方なのだと感じています。そのような美点も、ご両親が授け、育てて下さったものなのですね。自信を持って、今度はその思いを誰かに伝え、育ててください。
Commented by jikkenkun2006 at 2006-09-18 23:19
>sawakoさん
お褒めの言葉、ありがとうございます。真っ直ぐな視線って、いい言葉ですね。大事にしたいです。なぜか、『もののけ姫』の主人公が「曇りなき眼で…」と啖呵を切るシーンを思い出しました。


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