個人で働くということ

こんばんは。大宮です。
自意識過剰で引っ込み思案な僕。憧れの存在はラテン系の男です。
偏見かもしれませんが、ラテン男ってひたすら陽気で自信満々ですよね。
女を見ればすぐにアモーレ。OKならめっけもん、ダメなら次に行こうぜ、次。
ひたすらヒット・エンド・ランな毎日です。
あいつらに恥や自省という概念はないのでしょうか。
くそう、うらやましい!

少しずつでもラテンになろうと、スペインやフランスの映画を観たり、サルサダンスを習ったり、ブラジル料理を食べに行ったりしています。今のところ効果はありません。
いっそのことラテン民族に生まれ変わりたいです。近所にはペネロペ・クルスとエマニュエル・べアールが住んでいます。どっちにしようかな。選べないよ。ムフフ。

愚痴と妄想はこれぐらいにして、本題に入ります。
先日、5年間勤めた銀行を辞めて、通訳として独立したばかりのA子さんと会いました。

「毎朝、決まった時間に起きない生活になり、悪いことをしている気がしてしまいます。通勤する職場がないのも寂しいし、社会から取り残されている気がして……。もし一ヶ月も仕事がない期間が続いたら、不安に押しつぶされてしまいそうです」

わかるなあ、その気持ち!
●●大学や株式会社●●の一員ではなく、裸の個人であること。
何年経っても芽が出なかったら、使いづらいだけの中年フリーランサーとして忘れられてしまうのではないかという恐怖。
何にも予定がない平日、とりあえず『笑っていいとも』を観ながら昼飯を食べ、外でカフェを3軒ハシゴして「まだ17時か。早く夕飯の時間にならないかな」と考えているときの空しさ。
毎月25日になっても給料が振り込まれず(当たり前ですがショックなんですよ)、どんどん預金残高が減っていくときの心細さ。

ひとことで言うとプレッシャーが大きくなります。
今日のことも5年後のこともすべて自分で決めて責任を取らなければなりません。
え、俺が? ひとりで? 誰か代わりに決めて責任とってくれ!と叫びたくなります。

でも、個人で働くようになっていいこともありました(なければやってられませんよね)。
それはストレスがなくなることです。

プレッシャーとストレスがどう違うのかというと、「自己嫌悪」の気持ちが入っているかいないかだと思います。

僕は会社員時代、常に言い逃れをしていました。
仕事がやりきれないときは「アホ上司が仕事量を調節できなかったせいだ」と言っていたし、失敗したときは「そもそも俺はこんなルーティンワークには向いていない。もっと創造的な仕事をやらせてくれ」などと思っていました。

言い逃れをしながらも、頭の奥ではそれが言い逃れに過ぎないことに気づいていました。
自分で選んだ会社で与えられた仕事なのです。上司が犯罪者でもない限りは、やり遂げられない責任はすべて自分にあると考えるべきでしょう。

しかし、僕の場合、組織の一員として働いていると、どうしても他人に責任転嫁をしてしまうんです。扶養家族がいたら、「あいつらを食わせなくちゃいけないからこんな会社で働き続けているんだ」などと思っていたでしょう。弱い人間ですよね。どんな状況でも自分を失わないような強い人間だったら、会社を辞めていなかったかもしれません。

こんな自分が嫌で嫌で、ますますネガティブになって仕事ができなくなるという悪循環にハマっていました。知らず知らずにストレスが蓄積するような毎日でした。

個人で働くようになって気づいたのは、誰のせいにもできないことです。しようと思ってもやりようがないのです。
例えば、どうしようもない編集者と組んでしまったとします。調子ばかり良くって取材先とも上司とも戦えず、責任を僕たちフリーランサーに押し付けてくるような人。やっとこさ仕事を終えたら、ギャラを振り込み忘れる。記事のクレジットが間違ってる(「大宮東洋」とか)。うわーい、コイツは最低だ!
でも、こんな編集者を信じて仕事を受注したのは僕です。誰のせいにもできません。

このことを知ったとき、僕は不思議なほどすっきりした気分になりました。
誰のせいにもしない生活がこんなに清々しいものだったとは……。
プレッシャーや孤独感を補って余りある喜びでした。

ストレスの多かった会社員時代は「死んだ魚のような目をしてるわよ」と母親に心配された僕ですが、個人で働くようになってからは弟に「お兄ちゃん、なんだかすごく若返ったね」と言ってもらえました。嬉しかったです。

冒頭のA子さんもとりあえず半年ほどはがんばってみてほしいです。
自分に合った働き方なのかどうかは、半年後に鏡に映った顔を見ればわかると思います。
先のことはそれから考えればいいのではないでしょうか。
by jikkenkun2006 | 2007-11-03 01:24 | 週末コラム | Trackback | Comments(9)
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Commented by あんどう at 2007-11-03 07:23 x
ども~。興味深いテーマですね。
どんな働き方にもメリット、デメリットがあって、
どちらが自分により合うかですよね。
ただ、フリーで食べていけるだけの能力が無い人は
その選択肢がそもそもないので、選びようが無い(笑)。
なのでどちらも経験して、自分が選んだスタイルで仕事している
トーヨーさんやA子さんはうらやましいかもです。、
Commented by いりみつ at 2007-11-04 12:33 x
 興味深く拝見しました。どんな仕事もそうなのだけれど、自分がやってみたいと思う仕事は楽しい仕事であり、能動的に行うことができます。
他人から押しつけられた仕事はどんなに頑張っても苦痛を感じます。
受動的に行うからです。
 自分の仕事を能動的に行うか受動的に行うかはその人の心のありようでしかないと思います。しかし、自分のしたくないことは受動的にしか行えないのです。仕事を能動的に行うことは大切なことだと思います。私は公務員として宮仕えのみですが、仕事はクリエイティブに能動的に行いたいものだと思います。
Commented by jikkenkun2006 at 2007-11-05 11:03
>あんどうさん
コメントありがとうございます! フリーになりやすい職種となりにくい職種がありますよね。でも、組織で働くにしても自分に合った職場を選ぶのは重要なことだと思います。

>いりみつさん
能動的に働くこと、確かに大事ですよね~。共感しました。
Commented by L at 2007-11-07 15:59 x
名文っすね。いやー、心に響く文章書くなあ。なんだか身にしみたよ。お互いフリー同士、のらりくらりがんばりましょー!
Commented by jikkenkun2006 at 2007-11-07 19:36
>Lさん
お褒めの言葉、ありがとうございます。のらりくらりがんばる、いい言葉ですね!
Commented by A子 at 2007-11-07 19:59 x
どーも、通訳として独立したばかりのA子です。
私も弟に通訳の仕事をするようになって、活き活きしてるね!って言われました。
安定は無いけれど、楽しくて仕方ありません♪
立派な会社の肩書きはないけれど、何も無くても通訳ですって言う自信はあります!
これからは自分の語学能力を日本社会に役立てていけたらと思います、それで謝金がもらえたらありがたいお話です。外国語が好きだというより、こよなく日本を愛しています、その為に語学に勤しむ私であります。
誠実に業務をこなせば、きっと道は開けるんじゃないかと思うこの頃。。。
実験くん、励まして下さってありがとうございます。
Commented by jikkenkun2006 at 2007-11-08 23:33
>A子さん
コメントありがとうございます。それだけの情熱と誠実があれば、きっと大丈夫ですよ。お互いがんばりましょうね!
Commented by 宙昴 at 2007-11-14 17:40 x
フリーつながりで私からもコメントをば。
私は独立して今年で4年目ですが、誰のせいにもしない代わりに、動かなければ自分の食い扶持が減るからというプレッシャーと、自分だけで回して解決していくことの爽快感を得ることが出来ました。
日々アグレッシブに行動する自分が楽しいです。

そして、時々世間から隠れることが出来るのもまた良いです。
Commented by jikkenkun2006 at 2007-11-15 20:03
>宙昴さん
コメントありがとうございます。アグレッシブになったり隠れたくなったり。わかります。情緒の起伏が激しい人はフリーランス向きかもしれませんね。


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