故郷を愛してますか?

こんばんは。大宮です。
みなさん、故郷を愛してますか?
僕は今のところ全く愛していません。はっきり言って嫌いです。

生まれは埼玉県所沢市なので、正確な故郷は所沢になります。
でも、小学校低学年のときに隣町の東京都東村山市(志村けんの出身地……)に引っ越して、15年以上はあの街に住みました。今でも実家は東村山にあります。
そのため、僕の故郷は東村山だと残念ながら認めざるを得ません(かといって所沢が好きなわけでもありませんが)。

地方出身で東京にいる友人と飲むと、「鹿児島って保守的なんだよ。東京は自由でいいよ」みたいな話になることがあります。
僕まで調子に乗って「そうだよなあ。男尊女卑っていうイメージがある」などと口にすると、相手はちょっと不機嫌になり、「鹿児島もいいところあるよ! いま飲んでる焼酎も……」などと地元愛が炸裂します。

正直言ってうらやましい。
僕は誰かに「東村山? ダサいね!」と笑われても、1ミリも悔しくないのです。
いま一人暮らしをしている西荻窪(東京都杉並区)は4年半しか住んでないのに深く愛していて、隣町の荻窪と間違えられるだけでぶちキレそうになるのに……。

なぜ東村山を愛せないのでしょうか。
小中学校時代にあまり良い思い出がないことも理由の一つなのかもしれませんが、とにかく魅力が少ない街だからです。
元々は農地だった土地に住宅やマンションが無軌道に建てられ、駅前は安っぽいチェーン店ばかりが立ち並び、住民(僕もそうでしたが)は心なしかうつむき加減で歩いています。
文化も誇りもない、と言ったら言い過ぎかもしれません。
でも、少なくとも僕は市外の高校に進学してからは、実家に寝に帰る以外は東村山と意識的に遠ざかってきました。

この気持ちは決して僕だけではありません。
あるビジネス誌が東京都40市区(東村山のライバルである清瀬市や東久留米市はなぜか除外されていますが)の住民を対象にしたアンケート調査によると、東村山市は総合ランキングで39位、「地域の将来性」や「継続居住意向」の項目では最下位でした。
つまり、今住んでいる大人たちが「この街は嫌だな」「機会があれば他の街に住みたい」と思っているのです。
そういえば、東村山関係の知人から地元愛らしきセリフを聞いたことは一度もありません。

過去のことはさっぱり忘れて今を生きよう、と思うのは簡単です。
でも、いまだに両親を含む親しい人々が東村山に住んでいるのは事実だし、15年間も住んだ街を嫌悪し続けるのは哀しいことだとも思います。

先日、久しぶりに会った中学校時代の友人・浦上くん(渋谷区在住)と以上のような話になり、「もう一度、東村山を見つめ直してみないか? あの頃の俺たちは視野が狭かったのかもしれない。意外といいところがあるかもよ。久米川(←東村山では最大の繁華街)には旨い飲み屋があるって聞いたし……」と盛り上がりました。

もちろん、恵比寿並みのカフェも麻布十番並みの飲み屋も銀座並みの鮨屋もあるはずがありません。田舎のように自然や食材に恵まれているわけでもないし、悠久の歴史もありません。
しかし、「すごい」「かっこいい」「オシャレ」ではなく、「かわいい」「せつない」「いじらしい」という視点ならば意外にいいものが見つかるかもしれません。

現代日本には、僕たちのように「地元愛ゼロもしくはマイナス」な人は多いはずです。
東村山のように中途半端な街が全国的に存在しますからね。

そんな煮え切らない想いを抱えている僕をはじめとする人たちに捧げる企画を考えました。
その名は「東村山生徒会」。
愛せない故郷(僕にとっては東村山)を生徒になった気持ちでもう一度見直してみよう。もしかすると愛せるかもしれない。それでもダメだったら仕方ないからあきらめよう、という淡々とした趣旨です。

月に一度は東村山に戻って、緑地を探索したり個人商店を訪れたりしようと思っています。
情報交換をするために、ミクシィに入ってコミュニティを作ってみました(「東村山生徒会」で検索できます)。メンバーはまだ僕と浦上くんの2人ですが……。

地域共同体の崩壊が指摘されて久しい今、自宅や実家のある街に親しみ、地元の人たちと支え合って楽しく暮らすためには、個人の意思と行動が必要な気がしています。
by jikkenkun2006 | 2008-04-06 23:58 | 週末コラム


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