地味ときどき高潔 (極私的聖地巡礼その1~鎌倉~)

 こんばんは。大宮です。
 最近、「宗教」がマイブームです。といっても、悟ったような顔をして「ありがたい先生が教えてくれる集会」などに勧誘してくる人は相変わらず苦手。あんたは思考停止して悩むことを他人に委ねているだけじゃん、と突っ込みたくなります。喜ぶことと同じくらい、悩むことだって自分の体で感じたい。

 でも、つまらない悩みでモジモジウジウジしている人の話を聞くのは好きです。共感できるから。その結果に得られた答えなら、少しは参考になることもあります。イエスとかブッダとか親鸞とかだって、現代に同世代で生きていたら「悩みがちだけど憎めないヤツ」として友だちの一人にいたかもしれない。

 僕自身が親近感を覚えるか否か。とりあえずはこの一点に絞って、いろんな「聖地」を訪ねてみようと思います。ついでに少しは本も読んで、そのうえで宗教界のすごい(と言われている)人にインタビューしようかな。途中で飽きちゃうかもしれませんが、とりあえずメモ代わりに「週末コラム」を書かせてください。

 先週末に訪れたのは、禅宗(臨済宗)のメッカ、鎌倉。海も近いし、素敵な飲食店も多い街ですよね。しかも、この暑さ。お寺巡りなんてしている場合でしょうか。一人じゃ嫌です。鎌倉好きの女友だちを「有名なカフェで超うまいオムライスをおごるから、散歩も付き合ってよ」と強引に誘い出しました。
 その店(カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ)のコンセプトはブラジル。やっぱりいいね、ブラジル。懐かしいよ。行ったことないけど。アハハハ。……気持ちがお寺からどんどん離れていきます。

 ようやく立ち上がり、系列のブラジル音楽ショップでボサノバのCDを買い、鶴岡八幡宮に向かって歩きました。とにかく暑い日です。5分ほどで喫茶店に入りたくなりましたが、なんとか境内にある鎌倉国宝館へ辿りつきました。特別展は「観音さま」。しぶいぜ。

 座っていると寒くなるほど涼しい館内で、何対もの木彫りの観音様(仏像?)を見ました。僕が最も親しみを覚えたのは、「如意輪観音坐像」(鎌倉時代、個人蔵)です。暗く思い悩んでいるような顔をして、目は半開き。といって眠そうではない。どちらかというと不眠症っぽい。

「いま考え事をしているから話しかけないで!って言っているみたいだね」

 同行した友人の言です。うまい表現だね~。この観音様を拝んだら、一緒に悩んでくれそうです。救われる予感はしませんでしたが……。

 国宝館を出て、北鎌倉駅方面に向って歩きました。真夏のアスファルトの坂道って地獄ですね。ハンカチを汗でベタベタにしながら進むと、左手に円応寺という小さなお寺がありました。「閻魔大王坐像」が飾ってあるそうです。あのう、灼熱地獄ならばいま経験してるんですけど。通り過ぎようかと思ったのですが、こんな謳い文句が見えました。

「懺悔文を閻魔大王様の前にて合掌して心静かに三度唱えると、今までに犯した罪は全て許されます」

 全て許されるって言い切るところがすごいですね。大胆すぎる。ごめんで済んだら警察いらねえよ、とか言い合っている子どもたちに教えてあげたいです。
 罪浅くはないこの身。許されたい! つい拝観料(200円)を払ってしまいました。宗教パワーですね。将来、200万円の聖水とかを買わされないように気をつけます。

 この寺で面白かったのは、閻魔大王坐像の説明書き。閻魔大王って、死んだ人の生前の行いを裁くだけかと思ってませんか? 実は、大勢の人を地獄送りにした罪に問われるのだそうです。そして、大王自身が味わう地獄の辛さは一般人の比ではない。飛雄男よりも強力な大リーガー養成ギブスを装着している星一徹、という感じでしょうか。
 こんな大王になら裁かれても納得するかもしれませんね。現世の裁判官にも見習ってほしいです。この説明文が面白すぎて、大王様に合掌するのを忘れてしまいました。まあ、次の機会でいいや。

 円応寺の向かいにあるのが建長寺。入り口に、「鎌倉五山第一位」と嬉しそうに飾っています。こういうことを自分でアピールするのってどうなんですか。ちなみに僕が卒業した公立中学校は「東村山の学習院」と自称していました。かなり恥ずかしかったです。

 すんなり入りたくなかったので、入り口脇の精進料理屋で甘い物とお茶を飲みました。暑くて疲れているとき、涼しい日陰で熱いお茶と和菓子をいただくって最高ですよね。これぞ和風天国。すっかりご機嫌が良くなり、気持ちよく拝観料を払って建長寺内へ。
 門前では悪態をつきましたが、境内はすっきりしていて好きになりました。建物は堂々と大きいけど、決して華美ではありません。禅寺の大本山たるもの、こうでなくっちゃね。歩き回っているだけで、ちょっと静かな気持ちになれました。

 最後に行ったのは円覚寺。鎌倉五山第二位です(もういいって)。明治の初期に、曾おじいさん(うちの母方の実家は代々お寺なんです)が修行させてもらったお寺。ていうか、うちのお寺って浄土真宗だった気がするけど……。まあ、円覚寺は度量の広いお寺なんですね。

 座禅道場の奥には、緑豊かな庭園がありました。遠くに竹林がザワザワと風に揺れているのが見えます。ハリウッド映画『グリーン・ディスティニー』みたいな風景です。しばらくぼけっと眺めていました。この庭、曾じいちゃんも見たのかな、と思いながらお寺を出ました。

 6時間ほどの鎌倉散歩(そのうち3時間ぐらいは店にいましたが)。お寺回りで受けた印象は、よくもわるくも地味。場所によっては地味を突き抜けた潔さがある、です。歩き回っているだけで、気持ちと姿勢がシャンとします。湘南新宿ラインで横浜を過ぎたあたりで元に戻っちゃうんですけどね。

 今日は、京都に行ってきます!
by jikkenkun2006 | 2008-08-01 02:22 | 週末コラム | Trackback | Comments(2)
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Commented by JJ at 2008-08-01 09:40 x
>鎌倉五山第一位

は、決して嬉しくて表記しているわけじゃないですよ。
競争して一等賞を取ったわけじゃなく、
時の政権によって定められた由緒正しき位階のこと。
お寺さんが自慢している、というのはちと穿った見方ですね。

実験さんが「宗教」について考え、書くということで
どんな展開になるか、大変興味深いです。
楽しみに読ませていただきますね。

一応「元」宗教プロパーより。
Commented by jikkenkun2006 at 2008-08-03 21:56
>JJさん
コメントありがとうございます。情報提供も嬉しいです。今週末は京都(キリシタンと西本願寺)について書こうと思っています。


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