食事会に誘いたくない人

みなさん、こんばんは。大宮です。
食生活公開を日課としている当ブログですが、今月からときどきコラムを書いていきたいと思います。

僕は会社組織になじめずに一人で仕事をしているのですが、人とおしゃべりするのは大好きなので、しょっちゅう友人や仕事仲間、親兄弟に電話して、食事やお茶に付き合ってもらっています。一番多いのは1対1の「サシ」パターンですが、大人数で集まるのも嫌いではありません。

嫌いではないどころか、月に1回ぐらいのペースでさまざまな食事会を主催しています。小中学校の同級生とは盆暮れに東村山の安居酒屋で飲み会をやってますし、高校生のときに参加した国際交流プログラムの仲間とは春と秋に奥多摩で「カレー大会」を開いています。そのほかにも、大学のゼミの同窓会、西荻在住の人たちとの親睦会、合コンなどなどです。

結婚式の2次会など、招待される側になることも少なくはありませんが、それだけではとても足りないので自ら企画しているのです。弟にそのことを話したら、
「お兄さん、寂しいんじゃないの? 結婚したら?」
と指摘されました。ほっといてくれよ。

少人数の気の置けない仲間に一人ずつ声をかける場合は別ですが、20人以上が集まる食事会(例えば、ゼミの同窓会)の場合は、メーリングリストなどを使って参加を呼びかけることになります。その際にどうしても許せない問い合わせがあります。

「山下や西浦は来る? あいつらが来るなら行くけど……」

トイレには必ず友だちと一緒に行く女子中学生じゃないんだから、自分の判断で参加不参加を決めろよと言いたい。「○○さんに来てほしい」という気持ちはわかります。僕だって昔好きだった女性が参加する同窓会には仕事を断ってでも参加したい。逆に、知り合いが全然いないパーティーの席では居場所を見つけるのに苦労します。

しかし、そういう気持ちを主催者に伝えるのは失礼じゃないでしょうか。食事会の主催者は参加者一人ひとりが寂しい思いをしないように配慮するものです。僕は一人でポツンをしている参加者を見かけたら、積極的に声をかけて、その人に合いそうな友人を紹介しています。僕が参加者の立場でも、知り合いがいないパーティーなどに出席するときは主催者の温かい心配りを期待します。その心配りができなさそうな人が主催の集まりには参加しません。

「山下や西浦は来る? あいつらが来るなら行くけど……」

と主催者に問うことは、「お前とは別に会いたくないし配慮にも期待してないけど、山下や西浦とは会いたいんだ」と言っているようなものです。だったら、山下と西浦に直接電話して3人で会えよ。

僕がこんなことを思い始めたのは、大学生のときに高校時代のクラス会を企画したときからです。当時はメールが浸透してなかったので、名簿を見て電話をかけまくりました。すると、ほとんどの人が「他には誰が来るの?」と聞くのです。僕は正直に参加予定者を伝えていました。たくさんの人に集まってもらいたかったので、「お前が来るなら○○も来ると言っているけど……」などと仲介役までやったりしました。

そして、最後の一人の矢熊くんに電話したときのことです。
「矢熊くん、5月20日にクラス会があるんだけど……」
「行くよ。誘ってくれてありがとう」
即座の参加表明に戸惑った僕はこう続けました。
「ホント? 矢熊君と仲が良かった内田や田中も来るよ。それから……」
「別にそんなこと言わなくていいよ。トウヨウ(←僕の名前です)がやるなら行くよ」

その言葉を聞いたとき、僕は矢熊君の信頼と友情に感謝するとともに、他の連中へ小さな憤りを感じました。勝手にやっていることとはいえ、無償で面倒くさい幹事役をしている人に対して、「誰が来るのか知らないけど、とにかくお前の主催なら行くよ」という温かい言葉をなぜ言えないのか。

「つまらない食事会」に参加してしまうリスクを主催者に賭けられない人を、僕はもう誘いたくありません。
by jikkenkun2006 | 2006-04-08 18:16 | 週末コラム


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